3週間に渡り、必須脂肪酸について書いてきました。
油や脂肪を摂取することは、僕たちの健康を維持する上でとても重要であることは、皆さんもう分かっていただけましたよね。
しかし僕の耳には「そんなに油の多い食生活をしていたら太るんじゃないか?」と皆さんの心配の声が聞こえてきます。
確かに今までは、カロリーの摂り過ぎが体重の増加や肥満につながるというのが常識でしたから、心配するのも無理はありません。
しかし、このブログを読めば、もうそんな心配をする必要はなくなるでしょう。
「カロリーの常識は、実は間違いであった」と、僕が皆さんに証明します。
まず始めに知っておいてほしいのが「カロリー」とはただの原理にすぎないということです。
カロリーとは、フランス語で「熱量の単位」を意味し、現在は、3つの主要栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質)を燃やしたときの熱量を測るための尺度として使われています。
現在は栄養学で使われているカロリーですが、そのはるか昔には、燃やした石炭の熱量を測る単位でした。
そのときに使われていたのが、18世紀後半に発明された「カロリーメーター(熱量計)」です。
このように、もともとカロリーは、機械の中で発生する熱量を測るものであり、ましてや、人間の体内の熱量を測るものではなかったのです。
にもかかわらず、この単純極まりない昔ながらのカロリーメーターが、テクノロジーが発達した現在でさえ、栄養学のさまざまな実験や研究の結果に使われています。
さらに、人間の体内でカロリーが計測されたことは、今まで一度もありません。
(カロリーメーターを飲み込む以外に方法はないのか(笑))
つまり、カロリーは機械の中でのみ存在する熱量であり、人間の体内には存在しないのです。
▼参考リンク
https://academic.oup.com/jn/article/136/12/2957/4663943
このように、カロリーの摂り過ぎが体重増加につながるという学説には、何の証拠もありません。
一方で、科学ではっきりと分かっている事実があります。
それは、3つの主要栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質の体内での代謝のされ方が、それぞれ異なるということ。
では、これら3つの栄養素がそれぞれどのように代謝されるのか話していきましょう。
タンパク質を食べすぎるとどうなるのか。脂肪に変換されてしまうのでしょうか?
いや、そうではありません。体内で吸収できず余ったタンパク質は、体内に貯めておくことができないため、体外へ排出されます。
とは言え、タンパク質の摂りすぎは、消化器官(特に腎臓)にかなり負担がかかります。
最悪、腎疾患につながる恐れもありますので気をつけましょう。
では、炭水化物を食べすぎるとどうなるのか。脂肪に変換されてしまうと思うでしょう?
はい、その通り!余った糖は、体が唯一貯め込もうとする主要栄養素なのです。
体内で余った糖は、トリグリセライド(中性脂肪)となり、脂肪組織(アディポウズ細胞)に蓄えられます。
人間の脂肪組織は、主にお腹周り、お尻、太もも、顎に多くあるのをご存知ですか?
ふとお腹周りが気になり始めて、太ったなと実感された経験ありますよね。
手首から太る人はまずいません。
最後に、高脂肪食を食べるとどうでしょう?体脂肪となり体内に蓄積されてしまうのでしょうか?
はい、でもほんの少しだけ。意外にも脂質の代謝は、体内に貯めこもうとしません。
摂りすぎて余った脂質は、体外へ排出され、消化の負担にもなりません。(オリーブオイルを一瓶飲みほしてしまえば、トイレに駆け込むことになりますが 笑)
「油は太る」は間違いです。このことについては、以前も紹介した僕がオススメする本、ゲーリー・トーベス著「Good Calories, Bad Calories」(日本語版なし)を参考にしてみてください。
さて、皆さんいかがでしたでしょうか。
栄養学の世界で長く信じられてきた、食事の摂取カロリー、運動の消費カロリーなどの「カロリー神話」自体が大きな間違いだったのです。
今まで食事をするとき、カロリーしか見えていなかったあなた。
もう、カロリーという概念を捨ててください。
そうすることで、今まで見えていなかった、食べ物と自分の健康の深いつながりが見えてくるはずです。
大昔、科学者を含め人々は、地球が平らであると信じていました。
違うと言う者は、精神異常者、または異端者扱いを受けたのです。
そんな時代、世界を巡る航海など、夢のまた夢の話。
地球が丸いと分かったとき、人類の世界が一瞬にして広がったのです。
僕は皆さんに、カロリーに縛られた世界から抜け出して、もっともっと広い栄養学の世界へ飛び出してほしい。
さあ、真の健康を手に入れる旅へ繰り出しましょう。